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インターネット業界で働くディレクターの雑記

読書

「ITビジネスの原理」の感想

更新日:

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ITビジネスの原理を読みました。マッキンゼー、ドコモ、リクルート、Googleなど10社の企業を渡り歩いて、現在楽天で執行役員をされている尾原さんの著書です。
photo credit: lanier67 via photopin cc


感想を一言でいうと、未来を考えさせられる本でした。文章は平易で読みやすくすらすらと読めます。 でも、ところどころで立ち止まって考えたり、妄想したりしながら読んでいたので何気に時間がかかりました。

その考えさせられた部分を中心にまとめたいと思います。

楽天とアマゾンの違い

物を売るか、物語を売るか

これが楽天とアマゾンの違いで、アマゾンで買う物はどこで買っても同じ物であるということ。書籍やCDなどがその典型。誰から買っても同じものを売るということは自然とボリュームの勝負になり、大量に仕入れられる業者は仕入れ価格を抑えることが出来るから値段も安くすることが出来る。他の業者はそれに対抗するためにやはり価格を下げなくてはならないという、価格競争の連鎖へと繋がる。

このような値引き合戦が続くと、メーカーも小売りも疲弊し、結局誰も幸せにならない。

それに対して楽天はプラットフォームであり、日本中の様々なお店が楽天市場に出店し、各お店ごとに商品ごとにオリジナリティが合ります。ユーザーは様々な店舗を見て回りながら、自分がいいなと思う商品、お店、人に出会って、ものだけでなく体験を買うことが出来るのです。商品がどうやってできているのか、どこにこだわりがあるのかということを店長さんが一生懸命説明をしているページは、見ていてとても面白いし、あたたかみがあります。応援したいな思うこともあるし、そこまで言うなら買ってみようと思って購入することもあります。これはアマゾンでは絶対に体験できないこと。

「物語を買う」「売っている人との関係性を買う」といった体験が買い物を楽しくし、人を幸せにするのだろうなと。だから楽天にはもっと店舗とユーザがインタラクティブにコミュニケーションをとれるような、店舗とその店舗のファンからなる小さなコミュニティがたくさんあって会話がうまれるような、そんな"場"になったら面白いのではと思っているのです。

 

ハイコンテクスト

日本はハイコンテクスト、アメリカはローコンテクスト。インターネットはローコンテクストの国、アメリカで生まれた。

ハイコンテクストな文化というのは、同じ共通基盤、コミュニケーションの共通基盤が合って成立するものです。共通の基盤があるから、その共通部分はあえて言葉にする必要がない。つまり阿吽の呼吸で説明できるし、またそれを楽しむことが出来る。

アメリカは移民国家、多民族、多宗教なので共通基盤が作りにくいので阿吽の呼吸が成立せず、すべていちいち言葉で説明しないといけないのです。阿吽の呼吸が成立しないのでコミュニケーションを楽しむというところまでいかない、というのが尾原さんが持つ仮説で、確かになと思うわけです。

LINEのスタンプでのコミュニケーションとかすごく分かりやすくて、スタンプだけで会話が成立する、しかも微妙なニュアンスまでもうまく伝えることもできるというのはハイコンテクストでないと絶対成立しないだろうなと思います。スタンプの種類は有料無料含め本当にたくさんあり、例えば「OK」みたいなのスタンプ一つとっても、キャラクターが違うのはもちろん、表情やしぐさでOKのニュアンスが少しずつ違うものがたくさんあります。

マンガもそうだなーと思っていて、ちょっとの表情の違いで感情を伝えたり、ニュアンスを伝えたりすることは日本のようなハイコンテクストな文化があって初めて成立するのだと思います。だからそこに消費が生まれ、マーケットができる。その点でいうとLINEのスタンプとか本当にすばらしいマネタイズ方法ですね。自分でプラットフォームを作ってそこで消費されるスタンプに対して課金することでお金が生まれる仕組みをつくっています。

調べたことないですけど、たぶん日本(とか他のハイコンテクストな国)以外でのスタンプの消費量っておそらく全然低いのではないでしょうか。

 

 

多言語から非言語へ

コミュニケーションに置いてそもそも言語は不可欠なものなのか。自分の好きな画像や動画を集めて他のユーザと共有するPinterestというサービスはコミュニケーションの媒介が画像や動画です。そこに言語はなくてそれで成立しています。

私もPinterestはよく利用しますが、外国の全然知らない人にフォローされるとか自分がフォローするとか頻繁にあります。Pinterestがそのあたりのレコメンデーションが非常にうまいのもあるのですが、そもそも綺麗な景色とか、かわいい動物の写真とかって誰が見てもいいんですよね。そこに言葉とか文化ってあんまり関係ない。そうゆう非言語なコミュニケーションが今後ますます増えていくのではというのがこの本で出ている仮説です。

日本が、アジアが、アフリカが、ヨーロッパが、あらゆる国と民族が持つ独自性、多様性を認め、かつ尊重した上で、言語に縛られることなく、言語を超えたところで繋がる関係。その関係を構築する力がインターネットにはある。そして私たちが目指すもの、次世代のインターネットは、まさにこの言葉が示すところにある。

素敵すぎる。

 

Google Grass 

今年はウェアラブルが来る!みたいな話はよく聞きますが、なんかほわっとしかイメージが湧かず、本当に来るのか、そもそもウェアラブルって何がいいの、と思っていたくちです。ウェエアラブルの代表格はやはりGoogle Grassだと思いますが、Google Grassが自分の日常生活に入ってくるイメージもなかなか湧きませんでした。なにがそんなにいいんだと。

でもこの本を読んで、このGoogle Grassのコンセプトビデオを見て考えが変わりました。このコンセプトビデオではGoogle Grassをかけた男性の一日が朝起きるところから描かれています。これはすごい。日常生活の拡張というか新たなライフスタイルの提案というか、こんな未来が来たら楽しいなと思うようになりました。

詳しくは動画を見てもらえればいいのですが、Google Grassをかけることによって今まで日常で行っていた行動、特に最近だとスマホを使って行っていた行動の効率が圧倒的に上がり、より早く、スマートにできるようになるというのがGoogle Grassで出来ることで、それによってより豊かな生活を送ることが出来るという提案だと思います。

朝起きて天気予報を見る、今日の予定を確認する、メールの返信をする、道を調べる、気になった情報を検索する、SNSに投稿する、電話をするといった行動がすべて音声操作で可能で、自分の目の前に適切な結果が表示される。そうすることでそれ以外のこと、友達と話すとかライブに行くとか散歩をするとかに時間と意識を向けることができて、そういった体験が人生をより豊かにするということなのかなと。

 

この4つが私がこの本を読んで、考えさせられたことです。テクノロジーが発達していくことでどんな未来が来るのか、インターネットによって世界がどのように変わってきて更にこれからどのように変わるのか、それによって私たちユーザーが得られる体験はどう変わって、それがどのように幸せに繋がっていくのか、こんなことをもんもんと考えるきっかけになりました。

IT業界にいる人も、そうじゃない人にもすごくおすすめの一冊です。

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