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インターネット業界で働くディレクターの雑記

読書

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」の感想

更新日:

マーケティングで有名なP&GからUSJに移り、USJの劇的なV字回復の立役者である、森岡さんのマーケティング戦略の本です。人に薦められて読んだのですが、とても本質的な話を初心者でもわかりやすく具体例(USJで実際に起きたこと、やったこと)も合わせて書いてあるので、とても読みやすく、理解もしやすかったです。

今後マーケティング関連の本は、これを必ずオススメしようと思います。

自分なりに使えそうなフレームワークやエッセンスをまとめておきたいと思います。

【消費者の頭の中を制する】ブランド・エクイティー(Brand Equity)

  • 消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージを「ブランド・エクイティー(Brand Equity)」と呼ぶ。
  • ブランド・エクイティーを競争に有利になるように築くことで、自ブランドはどんどん売れるようになります。マーケティングの本質的な仕事はそれ
  • ブランド・エクイティーを築くための一連の活動を「ブランディング」と呼ぶ
  • 「マーケティングの仕事」=「自社ブランドを売れるようにすること」=「消費者の頭の中に自社ブランドが選ばれる必然を作ること」=「競争に有利なブランド・エクイティーを築くこと」=「ブランディング」
  • マーケティングの最大の仕事は、消費者の頭の中に「選ばれる必然」を作ること、そのための活動を「ブランディング」と呼ぶ
  • 消費者に選ばれる強い理由になっているものを「戦略的ブランド・エクイティー:Strategic Brand Equity」といい、それこそが選ばれる必然の正体

 

戦略用語の基礎知識

  • 目的:命題、最上位概念
  • 目標:資源集中投下の具体的な的
  • 戦略:資源配分の選択
  • 戦術:実現するための具体的なプラン

 

マーケティングでは戦略的思考がこのように当てはまる

  • 目的:OBJECTIVE
  • 目標:WHO(ターゲットは誰か?)
  • 戦略:WHAT(何を売るのか?)
  • 戦術:HOW(どうやって売るのか?

 

戦略(Strategy)の4Sチェック

 

  • Selective(セレクティブ:選択的かどうか?):やることとやらないことを明確に区別できているかということ。
  • Sufficient(サフィシエント:十分かどうか?):戦略によって投入されることが決まった経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうかということ。
  • Sustainable(サステイナブル:継続可能かどうか?):立てた戦略が、短期ではなく中長期で維持継続できるかという視点です。
  • Synchronized(シンクロナイズド:自社の特徴との整合性は?):自社の特徴(強みと弱み、あるいは経営資源の特徴)を有利に活用できているかということです。

順番は、戦況分析→目的→目標→戦略→戦術で決める

①戦況分析
  • 市場構造を理解する(全体のとしての人々のやり方、利害関係のつながり、何が何によって決まるのか)
  • 市場構造の自然の摂理に逆らわないようにする
  • メソッドは5C
    • Company(自社の理解)
      • 会社の全体戦略、自社が使い得る経営資源(人、予算、承認プロセス、執行パターン、設備、特許、ブランド等の知財、データ、強み弱み)
    • Consumer(消費者の理解)
      • 量的理解(数値データを用いて広く全体像を理解する、消費者のデモグラ、商品の世帯浸透率、認知率、購入頻度等)
      • 質的理解(質的調査を通して消費者の深層心理に迫ること、消費者ニーズの理解、根底に流れる価値観や悩みの理解、日頃の関心ごと、別の文脈ではどんな消費行動をとるか、それはなぜか等人の総合理解、消費者インサイト=消費者自身が気付いていない隠された真実)
    • Customer(流通など中間顧客の理解)
      • その会社の方針や関心ごと、強み弱み
    • Competitor(競合する他社の理解)
      • 広義の競合理解(USJの広義の競合は、可処分所得や非日常への現実逃避という点ではスマホも競合になる)
    • Community(ビジネスをとりまく地域社会の理解)
      • 法律、規制、世論、税率、景気、為替レートなど
②目的:OBJECTIVE
  1. 実現可能性(ギリギリ届く高さを狙う)
  2. シンプルさ (要素がたくさん含まれる複雑な目的設定は機能しない)
  3. 魅力的かどうか (関わっているスタッフはもちろん皆プロですから、会社にとって重要だと理解できたら、たいていの目的に対しては素直に頑張ってくれるもの)
③目標:WHO(ターゲットは誰か?)
  • 総マーケティング予算をターゲット数で割ったものが1人当たりのマーケティング予算
  • ターゲット1人当たりのマーケティング予算が十分(Sufficient)になるように、ターゲットを選ぶ必要がある(Selective)
  • ターゲットを選ぶ理由
    • 消費者全体の中でも「買う確率」や「購買欲」に大きな偏りがある。買う確率や購買力は均等に分布しているのではなく、どこかに大きく偏っているものなのです。だからターゲットを選んでリソースを集中した方が効率が良い(日本の個人の銀行預金は10%未満の客が90%以上の預金を保有し、米国のレンタカービジネスはたった0・5%の客が25%もの売上を占め、英国の炭酸飲料はたった6%の消費者が60%の売上を占めていると言われています)
    • 満たすべき消費者ニーズにも偏りがあるということです。消費者全員を最高に喜ばせる商品は非常に作りにくい
  • 戦略ターゲット(Strategic Target)とコアターゲット(Core Target)の2つを明確に定めること
    • 戦略ターゲット:ブランドがマーケティング予算を必ず投下する最も大きなくくりのこと。
      • 戦略ターゲットの外にいる消費者は、完全に捨てることを意味する
      • 勝手にブランドを買ってくれるのは大歓迎ですが、こちらからはマーケティング予算を1円も使わない
      • メディアを集中してブランド・エクイティーを構築する対象
      • 短期でコロコロと変更すべきではなく、中長期的な視点で定義しなくてはいけません
      • 最も注意すべきは、この戦略ターゲットのくくりが目的達成に照らして小さすぎないようにすること。戦略ターゲットが小さすぎるためにビジネスが非効率になっているケースは多く見受けられます
    • コアターゲット:戦略ターゲットの中で、更にマーケティング予算を集中投資するターゲット消費者のくくり
      • 消費者の購入確率や購買力に大きく偏りがある時、ブランドを購入する必然性の高い消費者グループをコアターゲットとして設定
      • 戦略ターゲットに組まれる施策プラス、よりターゲットされたマーケティング施策が組まれる(サンプリング、DM、特典プロモーションなど、最も手厚くマーケティング予算を使用される消費者グループ)
      • 目的次第で複数を設定することもある
      • 戦略ターゲットに比べてより短期で変更してもOK
      • コアターゲットの内側と外側を決めている違いが何であるのかが明確にする
      • コアターゲットの見つけ方
        • ①ペネトレーション:カテゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか?
        • ②ロイヤルティ:既存の使用者の中で「SOR(Share of Requirements)」を伸ばせるグループはないか?
        • ③コンサンプション:既存の使用者の中で1回あたりの「消費量」を増やせるグループはいないか?
        • ④システム:既存の使用者の中で使用商品の種類(SKU数)を増やせるグループはいないか?
        • ⑤パーチェス・サイクル:既存の使用者の中で購入頻度を上げる(購入サイクルを短くする)理由を作れるグループはいないか?
        • ⑥ブランド・スイッチ:競合ブランド使用者の中にブランド変更の可能性の高いグループはないか?
  • 消費者インサイト
    • コアターゲットが明確に定まったのならば、コアターゲットの深い深層心理を探りましょう。「消費者インサイト」を見つけるのです!
    • 消費者インサイトとは「消費者の隠された真実」のこと
    • 消費者インサイトをコミュニケーションで衝くと、消費者の認識が大きく変わったり感情が大きく動いたりする
    • インサイトを衝かれることで消費者は自社ブランドのベネフィット(Benefit=商品便益)を大幅に理解しやすくなったり、欲しくなったりする
    • 消費者の認識を大きく変えるインサイトをマインド・オープニング・インサイトと呼ぶ
    • 消費者の感情を大きく動かすインサイトをハート・オープニング・インサイトと呼ぶ
    • 消費者インサイトは、理性を「はっと」させるか、感情を深く「エグる」もの
④戦略:WHAT(何を売るのか?)
  • 自ブランドの消費者価値を選ぶこと
  • 消費者がそのブランドを選ぶ必然、そのブランドを購入する根源的な理由
  • WHATとはその戦略的ブランド・エクイティー
    • ブランド・エクイティーの中で根源的な便益の構成部分のことをマーケティング・フレームワークではWHATと呼ぶ
    • 便益とはベネフィットとも言いますが、消費者がお金を払ってそのブランドを買う理由
    • WHATとはベネフィット
    • フェラーリであれば、「成功者としての優越感」
    • ディズニーランドはであれば、「幸福感」
  • 「ポジショニング(Positioning)」。簡単にいうと消費者の頭の中にある競合との相対的な位置づけのこと
  • 消費者の頭の中で、購入の強い理由となるブランド・エクイティーに最も近い場所にポジショニングしているブランドが有利になる
  • WHOの洞察を徹底的に深めて、消費者がそのカテゴリーの商品を買っている根源的な理由を深く理解すればするほど、その軸となるエクイティーは見えてきます
  • 相手が所有している強力なブランド・エクイティーを奪いにいくか(既存の軸を奪う)、現在の「軸となるそのエクイティー」を陳腐化してしまうほど新たな別の価値軸を消費者の頭の中に打ち立てていくことになります(競争の軸を変える)
⑤戦術:HOW(どうやって売るのか?)
  • マーケティング・ミックス(4P)
    • Product(製品):Product 領域の目的は、顧客に提供するモノ(製品)を決めること
    • Price(価格):Price 領域の目的は、自ブランドが目指すポジションに適した価格を決めることとその実現
    • Place(流通):Place 領域の目的は、効率的かつ効果的な顧客への販売アクセス方法を決めること
    • Promotion(販促):Promotion 領域の目的は、効率的かつ効果的な顧客への情報伝達方法を決めて実現すること

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